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【ねじのJISについて】・・・内装工事によく使われるねじに関して |
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JIS(日本工業規格)は、ねじに関して、ねじ山を有する本体を定める「ねじ部品」と、 それに付随する「関連部品」に分類して規格を定めています。 前者はボルト(おねじ)ナット(めねじ)の類、後者は座金、ピン、リベット類が挙げられます。
内装工事は全体の建築工事の後半、すなわち仕上げ工事に近く、 納まり上片側施工(裏側に人もしくは手が入らない)を強いられる事が大半です。
従って「ねじ部品」の中でも常に相手がいる、おねじ―めねじの関係よりも、 施工時に自身でタップ(めねじを形成する工具)の役割を果たすタッピンねじの類が 主役になります。
JISではタッピンねじの類が7種類規定されています。 ねじにトルクを加える為の頭部形状の違い(六角、すりわり、十字穴等)や 下穴が必要の有無等で分けられますが、最近内装工事では、納まりや施工上のでの 取り扱いのよさから、ほとんどが下記の3規格に準ずるねじが使用されています。 |
JIS B 1122 |
【名称】 十字穴付きタッピンねじ 【通称】 タッピングビス
【特徴】 要下穴。1種から4種まであり鉄板厚0.4mm〜10mm程度まで対応、 線径・長さ・頭部形状等多品目有り。 鉄板の厚さとねじの種類により適切な下穴径が決まる。
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JIS B 1124 |
【名称】 タッピンねじの山をもつドリルねじ 【通称】 キリ先ビス・ドリルビス・鉄骨ビス
【特徴】 先端ドリル先形状となっており、自ら下穴をあけ、ねじ山を立てる。 主に鉄板厚1.2mm〜6.0mm程度まで対応。 線径・長さ・頭部形状等多品目有り。
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JIS B 1125 |
【名称】 ドリリングタッピンねじ 【通称】 ワンタッチビス・一発ビス・ドライウォールスクリュー
【特徴】 先端トガリ先形状となっており、自ら鉄板を突き破り2条のねじ山にてそれを捉える。 主に鉄板厚0.4mm〜1.0mm程度まで対応。 ラッパ頭、石膏、ボード留めビスが代表的。
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※木ねじ(JIS B1112、1135)については電動ドライバー(最近はインパクトドライバーが主) の高トルク化の為、焼入れ処理されていない木ねじはリセス(十字穴等)の破壊の可能性が 高く、又下穴をあける必要もある為、内装工事に実質ほとんど使用されていません。 実質上記「B1125」の範疇に含まれるコーススレッド類が主流です。
※参考:JISねじ部品類全体の分類を示すと下記のようになります。 |
JISねじ部品類の分類 |
【ねじ部品・関連部品】
【おねじ】
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【ボルト】
T溝ボルト、アイボルト、角根丸頭ボルト、植込みボルト、六角穴付きボタンボルト、
六角穴付きショルダボルト、六角穴付きボルト、基礎ボルト、皿ボルト、六角ボルト、
四角ボルト、フランジ付き六角ボルト、溶接ボルト、六角穴付き皿ボルト
【小ねじ】
すりわり付き小ねじ、十字穴付き小ねじ、座金組込み十字穴付き小ねじ、
精密機器用すりわり付き小ねじ、眼鏡枠用小ねじ及びナット
【止めねじ】
すりわり付き止めねじ、四角止めねじ、六角付き止めねじ
【タッピンねじ】
すりわり付きタッピンねじ、十字穴付きタッピンねじ、六角タッピンねじ、
タッピンねじの山をもつドリルねじ、ドリリングタッピンねじ、つば付き六角タッピンねじ、
フランジ付き六角タッピンねじ
【木ねじ】
十字穴付き木ねじ、すりわり付き木ねじ
【その他】
摩擦接合用高力六角ボルト・六角ナット・平座金のセット
【めねじ】
【ナット】
四角ナット、T溝ナット、アイナット、溝付き六角ナット、六角ナット、六角袋ナット、
ちょうナット、フランジ付き六角ナット、溶接ナット、プリベリングトルク形ナット
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【関連部品】
【座金】
ばね座金、皿ばね座金、歯付き座金、平座金
【止め輪】
C形止め輪、C形同心止め輪、E形止め輪、グリップ止め輪
【ピン】
割りピン、テーパピン、先割りテーパピン、平行ピン、ダウエルピン、
ねじ付きテーパピン、めねじ付き平行ピン、スプリングピン
【リベリット】
冷間成形リベリット、熱間成形リベリット、セミチューブラリベリット、ブラインドリベリット
【その他】
皿ばね、ターンバックル、シャックル、ワイヤグリップ、シンブル、頭付きスタッド、
六角棒スパナ |
ねじ・ビス・スクリューの違いって何? |
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普段、何気なく使っているこれらの言葉。違いがわかりますか?
正解は、 ・ねじ(螺子;らしとも言う)→日本語 ・ビス(vis)→フランス語 ・スクリュー(screw)→英語
の違いです。要するにいずれも同じものを言っているだけですね。 つまらない質問ですみません。 |
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ここでちょっと意外なのは、我々が身を置く建築内装業界では 「ビス」が幅をきかせています。 ここでフランス語の「ビス」が再びなぜ?
・・・ここでちょっと話題を変えて、ねじの歴史をひもといてみましょう。
ねじの起源はもちろん明らかではありません。 ただし歴史上現在のねじに近いものを製作したのは、 かの有名なレオナルド・ダ・ビンチさんである事は、 各種資料で裏付けられています。
その後2世紀を経て、イギリスのウイットウォースさんと言う人が、 ねじ山角度50度のねじを提案、これまでまちまちだったねじ山を 統一体系付け、その後イギリス規格となりました。 (その名を取りウイットねじと呼ばれています。)
その後アメリカでそのウイットねじが改良され、山角度60度の インチねじ(1インチ=25.4mmを基準としたねじ)が確立され、 これがアメリカ・イギリス・カナダ3国で協定をされたユニファイねじとして 発展していきました。 |
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この時代は背景として第2次世界大戦の最中、ベースとして武器類の 互換性を進め、その後の結果につながったのかも知れません。
一方でインチ系のねじとは別に、同時期国際基準として共通に使う事を 目的としたメートル法制定に積極的なフランスにて(やっと出て来ました) 山角度60度のメートルねじを規定、これが現在普及しているねじの 原型・スタンダードになっています。
さて日本ですが、種子島にポルトガルから火縄銃が伝来し、 その銃のおしりに尾栓という部品がありそこにねじが使われていました。 銃弾の発射の圧力に耐えるには必須だったのです。 |
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日本にはもともとねじの概念がなかった為、模造品の製作を命じられた 刀鍛冶は大変苦労し、自身の娘をポルトガル人に嫁がせてその秘密を 探らせ、大根等の野菜を使いサンプルを何度も作り、 その原理を学んだという話が残っているほどです。
その後日本も明治20年代になって近代化促進の一環として メートル法導入に積極的になり、普及には時間はかかりましたが、 現在のメートル法が定着しました。
ここで前に出てきたイギリス・アメリカを中心にした国々は、 その間メートル法導入にそれほど積極的でなく、 今もインチ、フィート、ヤード、ポンド等が使われています。
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つまり話しが長くなりましたが、フランス語の「vis」が日本で当たり前のように 言われるようにそんな理由が背景にあるのかも知れません。
おかげで今も釘・ねじ・工具のモジュールも「インチ」と「メートル」が ごちゃごちゃになって現場で混乱が起きるのも珍しい事ではありません。
ちなみに最近発展の著しい中国では、 ねじの事を「螺糸」と書き「ロス」と呼んでいます。 鉄鋼商品高騰の折、皆さん、ねじ一本一本にもロスのない様 大事にお使い下さい。 |
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